点字の歴史(誕生編)|「点字とはなんぞや?」というお話 番外編

こんにちは、てくのブログです。

「点字とはなんぞや?」ということで、3回シリーズで点字の世界を紹介してまいりました。
これが大変好評(?)でしたので、急きょ番外編として、点字の歴史について少しだけ触れたいと思います。

けっこう昔からあった

点字の起源はけっこう昔です。

遡ることなんと350年前、1670年にイタリアの発明家「フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィ」が点と線の組み合わせでアルファベットを表す方法を考案していました。

「フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィ」、舌噛みそうな名前ですね。

点字の元祖というと言い過ぎかもしれませんが、現代に繋がる基礎的なアイティアだったのではないかと思います。

ラナの点字システム(Wikipedeiaより)
ラナの点字システム(Wikipedeiaより)

その後1819年、今から200年くらい前に、フランス軍の将校「シャルル・バルビエ・ド・ラ・セール」が、夜間に命令を伝達するための「夜間読字」を考案しました。
12の点を使って、戦争に関する命令を、発音や音節、単語などで表すことができるものでした。

「シャルル・バルビエ・ド・ラ・セール」、こっちはけっこう言いやすい。かな?

しかし残念ながら(?)、実際には軍隊では使われなかったそうです。

夜間読字の例(「暗闇の中のきらめき」より)
夜間読字の例(「暗闇の中のきらめき」より)

ルイ・ブライユの登場

軍隊では使われなかった12点の「夜間読字」ですが、フランス・パリの盲学校では、これを視覚障害者の文字として利用できないかという試みが続いていました。

そんなとき、「ルイ・ブライユ (Louis Braille) 」は、12点の「夜間読字」を改良して、「6点」でアルファベットを表す方法を考え出しました。
ブライユはその盲学校の生徒でした。

ブライユさん(Wikipediaより)
ブライユさん(Wikipediaより)

ブライユ式の点字は盲学校の生徒たちの間で大好評。盲学校の生徒のだれもが使うようになりました。1822年頃のことです。

しかし、視覚障害者が使う「正式な文字」として認められるには、このあと、非常に長い期間が必要でした。一時は盲学校での「ブライユ式の点字」の利用を禁止されたこともあったそうです。

ブライユが「6点」の点字を発明してから約20年後、ようやく盲学校でブライユ式点字の使用が正式に認められました。
さらに10年後の1854年、ブライユ式点字がフランスで正式に採用されました。

このブライユさんに敬意を表して、点字は「braille」(英語読みではブレイル)と呼ばれるようになりました。
「ブレイル○○」みたいな商品が結構あるので、聞いたことのある方がいるかもしれませんね。

世界中へ普及

フランス生まれの点字は、ここからいよいよ日本を含む世界中へ広がっていくわけですが、ひとまず今日はここまでです。

次回は日本に点字が普及していく流れを追っていきたいと思います。

それではまた~。

【点字とはなんぞや? 他の記事はこちら】

 意外と知らない?!「点字とはなんぞや?」というお話 その1

② どうやって「点訳」するのか?|「点字とはなんぞや?」というお話 その2

③ 64個じゃ足りないよ!|「点字とはなんぞや?」というお話 その3

④ 点字の歴史(誕生編)|「点字とはなんぞや?」というお話 番外編

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64個じゃ足りないよ!|「点字とはなんぞや?」というお話 その3

こんにちは、てくのブログです。

さてさて、点字のキホンをご紹介しておりますシリーズの第3回です。

前回は実際にどうやって点訳(てんやく)するのか?というお話しでした。そのポイントは…

  • 漢字かな交じりの文章をどのように「読む」のか、キチンと調べておく
  • 6本の指を6点に見立てる「6点入力」というワザを使う

ということです。

それを踏まえたうえでですが、点字にはある重大な問題があるのです。
すでに、このことに気が付いていた方もいらっしゃるかもしれませんが…

そう、いくら漢字を使わないからといって、たった64種類(2の6乗)の表現では数字や英字(アルファベット)すらカバーできません。全然足りないのです。

この問題を解決するために、点訳では様々なルールを作って64以上の文字や記号を表現できるようにしています。
そのルールをほんの触りだけ紹介します。

いくつか合わせて1つの文字にする

64以上の文字を表現するためのルールの1つに、複数の点字を「組み合わせ」て、1つの文字を表現するというルールがあります。数字や英字、記号などがその典型です。

数字は、数符(3456の点)という点字と組み合わせて表現します。英字は、外字符(56の点)という点字と組み合わせて表現します。
また、大文字と小文字の区別は、大文字符(6の点)という点字と組み合わせて表現します。

数符や外字符のルール
数符や外字符のルール

このほかにも様々なルールを使って64個の点字だけでも、通常の文書から詩や漢文などの文学書、数式や楽譜に至るまで、多彩な表現ができるようになっています。

数符を忘れると”ウルサイ”人になっちゃう??

ちょっと脱線。

とある点字初級コースの講習会で、実際に起きた事件なのですが、自分の自己紹介で「私は34才です。」を点訳するときに、うっかり数符を入れ忘れてしまった人がいたそうです。

「3」は数符を付けないと「ウ」で、「4」は数符を付けないと「ル」になります。

はい、みなさんお察しの通り、「ワタシワ ウルサイデス」という自己紹介になってしまったということです。(♪チャン♪チャン♪)

数符のつけ忘れにご注意!

というわけで

 

みなさん、点字の世界はいかがだったでしょうか?

簡単?難しい?面白い?

なにかを感じたそこのあなた!点字の世界はもっともっっと奥が深いのです!

ぜひ点字の世界へ飛び込んでみませんか?
下記のリンクでもっと点字の世界を堪能してみてください。

ひとりで学べる楽しい点字

視覚障害者情報総合ネットワーク「さぴえ」

それではまた~。

【点字とはなんぞや? 他の記事はこちら】

 意外と知らない?!「点字とはなんぞや?」というお話 その1

② どうやって「点訳」するのか?|「点字とはなんぞや?」というお話 その2

③ 64個じゃ足りないよ!|「点字とはなんぞや?」というお話 その3

 

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どうやって「点訳」するのか?|「点字とはなんぞや?」というお話 その2

こんにちは、てくのブログです。

「点字とはなんぞや?」シリーズ第2回です。

前回は点字が目が見えない人の「文字」であること、漢字かな交じり文を「カナ」にして点字に置き換える作業を「点訳」と呼ぶこと、を紹介しました。
今回は実際にどうやって「点訳」をするのか、ちょっとだけ触れてみたいと思います。

私たちは墨字を“なんとなく”読んでいる?

ところで実は私、「読み方を知らない漢字」に出くわしたときに、無意識に漢字から意味を(おおざっぱに)理解して読み進めてしまうことが結構あります。
なんかよくわからない魚へんの漢字に出くわしたときとか、「あ、なんか魚ね。」という感じで読み飛ばしてしまいます(汗)。同じような方、いらっしゃいませんか?(私だけか?・・・汗汗)

それはさておき…漢字かな交じりの文章を「カナ」にしていく作業は、意外と大変です。同じ漢字でも文脈によって読み方が違うこと、よくありますよね。

たとえば「日本橋」。読み方によって全然違う場所になってしまいます。

  • ニホンバシ  →  東京
  • ニッポンバシ →  大阪

というわけで、漢字かな交じりの文章をどのように「読む」のか、キチンと調べながら「カナ」にしていくことが、点訳作業において重要なポイントです。
正しい読み方(カナ)がわかったら、「カナ」に対応した点字に置き換えていきます。この段階で使われるのが「点字編集システム」です。

点の位置には番号がある

前回もお話ししたように、点字は6つの点でできています。さらに、この6つの点に番号をつけて呼びます。
左上が「1の点」で、以下「2の点」、「3の点」、右側も同様に上から、「4の点」、「5の点」、「6の点」となります。

点の番号
点の番号

6点入力

点字の入力の基本は「6点入力」という方法です。

「6点入力」とは、左右の「人さし指」、「中指」、「薬指」、の合計6本の指を点字の6点に見立てて、点があるところは「押す」、点がないところは「押さない」という感じで入力する方式です。

指と点の対応は下の図のようになっています。
たとえば…

  • 「ア」 → 左手の人さし指で「F」を押す
  • 「イ」 → 左手の人さし指と中指で「F」「D」を押す
「アイウエオ」の入力
「アイウエオ」の入力

手のひらを向けてみると、指と点の対応がわかりやすくなりますね。

点の位置と指の対応
点の位置と指の対応

とまぁこんな流れで点訳していくわけですが、なかなかイメージが沸かないと思います。
ご興味のある方は「点字編集システム」を使って、ぜひ実際に入力を体験してみてください。弊社のホームページからダウンロードできて、インストール後2週間は無料でお試しいただけます。

いい具合に商品の宣伝になったところで、今日はこの辺で。

それではまた~。

【点字とはなんぞや? 他の記事はこちら】

 意外と知らない?!「点字とはなんぞや?」というお話 その1

② どうやって「点訳」するのか?|「点字とはなんぞや?」というお話 その2

③ 64個じゃ足りないよ!|「点字とはなんぞや?」というお話 その3

 

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意外と知らない?!「点字とはなんぞや?」というお話 その1

たいへんご無沙汰しております。てくのブログです。

「価値のある情報を発信していくぞ!」息巻いて始めたこのブログですが、ふと気づけば1ヶ月以上放置しております。

気張ると長続きしないということがよくわかりました。
猛烈に反省し、ここからもう一度更新の頻度をあげてまいります。

今後はゆるい内容が増えるかもしれませんが、「たまには良いことが書いてあるかも…」というスタンスでお付き合いいただけると幸いです。

ここから本題です。

再開一発目のテーマは、「点字とはなんぞや?」です。

以前、点字編集システムの機能を紹介しましたが、「そもそも点字がわかんないよ…」と思った方もいるのではないでしょうか。

階段の手すりやエレベーターのボタン、ビール缶のフタについていたり、点字ブロックなんてものもあるので、「凸凹で表す文字でしょ」くらいの知識はあっても、詳しいことは知らない人が多いと思います。

いいんです。そういう人のためにてくのブログはあるのです。それが我々ブログチームのモチベーションに繋がるのです。

このシリーズでは3回(予定)にわけて、点字のことを紹介してまいります。

「おさけ」と書いてあります。
「おさけ」と書いてあります。
駅の案内図にも点字がいっぱい。
駅の案内図にも点字がいっぱい。

「点字」と「墨字」

「点字」は目が見えない方が利用する「文字」です。私たちは「文字」を使って本を読んだり新聞や雑誌を読んで、世の中の事を知ったり、知識を深めたりしています。

目がみえる人は、目で見て読む文字(漢字、ひらがな、カタカナ、英字など)を使います。これを「墨字」といったりします。そして目が見えない人は、指で触って読む文字、「点字」を使います。墨字は「目で読む字」、点字は「手で読む字」といえます。

最近では音声読み上げの進歩が著しいですが、日常生活においてはまだまだ「点字」の存在が欠かせません。

点字とはなんぞや_1-1
指で触って読みます。

点字は6つの凸の組み合わせ

目で見る文字(墨字)は、直線や曲線などを組み合わせて表現しますが、「点字」は6つ点の盛り上がり(凸)を組み合わせて表現します。下の図のように凸有り・無しのパターンを組み合わせて表現し、指で触って読んでいきます。

点字で書かれた文書
点字で書かれた文書

つまり、点字の表現パターンは64通りしかありません。(数学的に言えば「2の6乗=64」となります。)

なので残念ながら、漢字、カタカナ、ひらがな、英字など、数多ある文字をそのまま表現することはできません。

そこで、点字の文章は基本的に「カナ」だけの文章にします。漢字かな交じりの文章は、すべて「カナ」にして、点字に置き換えます。この「カナにして点字に置き換える作業」を「点訳(てんやく)」といいます。

まぁ、少しルールがあって単純に置き換えるわけではないのですが、平たく言ってしまえばこういうことです。

コラム:漢字はどうやって書くのか?

ここまできて、点字には「漢字」がないの?と疑問に思った方も多いのではないでしょうか?

実は「漢点字」や「六点漢字」という点字で漢字を表現する点字表記法もあります。ただし、いまのところは「カナにして点字に置き換える」というのが最も一般的です。

じゃ、目が見えない人は、漢字を覚えなくてもいいのか?

答えは「No!」です。

現代社会では、目が見えなくてもパソコンや携帯電話の読み上げソフトで墨字を扱うことができるようになりました。墨字を入力するときも読むときも、音声で読み上げてもらうことになります。その時に漢字がわからないと、入力間違いが多発したり、書いてある意味がわからない、という事態が起こります。

そこで読上げソフトは漢字の説明をするようになっています。例えば「点字」なら「テンスーノテン(点数の点)、モジノジ(文字の字)」という風に教えてくれます。

点字で表現しないからといって、漢字を疎かにはできないのです。

閑話休題

ということで、ざっくりとした点字、点訳の紹介でした。

テクノツールの「点字編集システム」は点訳に使うソフトです。
次回はこのソフトを例に、実際にどうやって点訳していくのかという話をしたいと思います。

それではまた~。

【点字とはなんぞや? 他の記事はこちら】

 意外と知らない?!「点字とはなんぞや?」というお話 その1

② どうやって「点訳」するのか?|「点字とはなんぞや?」というお話 その2

③ 64個じゃ足りないよ!|「点字とはなんぞや?」というお話 その3
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まだあるぞ!点字編集システム7の便利な機能|点字編集システムの使いかた

こんにちは、てくのブログです。

ひさしぶりに「点字編集システムの使いかた」シリーズです。

前回は3回にわたって点字編集システム7に新たに追加した「拡張クリップボード」という機能を紹介しました。今回は「他にもまだある便利な機能」をいくつか紹介します。

ページ行のコピーと貼り付け

まずはページ行のコピーと貼り付けです。

点字編集システムの1行目は水色で反転されて表示されています。これは、「ページ行」という特別な行です。

「ページ行」はWordでいうとヘッダーフッターエリアと同じようなもので、主にページ番号をふっていくための行なのですが、たとえば目次が複数ページにわたる場合などに「ここは目次ですよ」的なタイトル(?)を入れたりすることがあります。

これまではそのタイトルを1ページずつ書いていかなければいけなかったのですが、点字編集システム7では、ページ行で「コピー」や「貼り付け」ができるようになりました

(ちなみにページ番号は全ページ一気に自動でつけることができます)

「ページ行」と「本文行」
「ページ行」と「本文行」

ページ行にカーソルを移動して「Ctrl+C」を押すと、ページ行1行分がクリップボードにコピーできます。同様に、ページ行にカーソルを移動して「Ctrl+V」を押すと、ページ行に1行分のデータが貼り付けられます。

ポイントは「1行分」というところです。ページ行では点字を一文字ずつ選択することができないので、「1行分」まるごとコピーや貼り付けをすることになります。

※ページ行のコピーと貼り付けは「Ctrl+C」と「Ctrl+V」のショートカットキーのみの対応となっています。編集メニューは利用できませんのでご注意ください。

墨訳数字の色変更機能

墨訳表示をしていると、英字の「O」と、数字の「0」など、英字と数字の違いがわかりづらいことがありませんか?

点字編集システム7では、このようなややこしい文字を見分けやすいよう、墨訳の数字部分の色を変更することができます

標準設定では、通常の墨訳文字は「赤」、数字は「ピンク」になっていますが、次の手順で色を変更することもできます。

  • メニューの中の「設定」の中の「表示設定」を開く
  • 「色設定」の項目を「墨訳数字色」にして「色設定」ボタンを押す
  • 通常の墨訳とは別の色(例えば緑)などにして「OK」ボタンを押す
  • 「保存終了」ボタンを押す

この状態で墨訳すると、墨訳の数字は「緑」で表示されて、英字と数字がはっきり区別できます。

色の設定
色の設定

バックアップファイル選択機能

「いちど上書き保存したけど、前のバックアップファイルを開きたい」ということがたまにあると思います。

これまでバックアップファイルを開くには、バックアップファイルの拡張子を「bak」から「bes」に自分で変更する必要がありましたが、点字編集システム7では「bak」のままで開けるようになりました。手順は次の通りです。

  • メニューの中の「ファイル」の中の「開く」を選択して「開くダイアログ」をひらく
  • 「ファイルの種類」のところで、「バックアップファイル」をえらぶ
  • バックアップファイルが表示されたら、開きたいファイルを選び、「開く」ボタンを押す
  • 「bak形式はファイル名の引継ぎはできません。新規文書として開きます」というダイアログが開いたら、OKボタンを押す

このようにすると、新規文書(無題)としてバックアップファイルが開きます。

バックアップファイルをひらく
バックアップファイルをひらく

※開こうとしているファイルが「BES形式」でない場合は、「ファイルが正しく読み込めませんでした」というエラーダイアログが表示されて読み込みを中止します。

ということで、主な便利機能を紹介してみました。点訳作業がより効率的に行えるよう、活用していただけると嬉しいです。

それではまた~。

【点字編集システムの使いかた 他の記事はこちら】

① 拡張クリップボードってなんだ?|点字編集システムの使いかた

NABCCデータ 3つの活用事例|点字編集システムの使いかた

③ Unicodeと墨訳の活用事例|点字編集システムの使いかた

④ まだあるぞ!点字編集システム7の便利な機能|点字編集システムの使いかた

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Unicodeと墨訳の活用事例|点字編集システムの使いかた

こんにちは。

点字編集システム7に新たに追加された機能、「拡張クリップボード」を紹介するシリーズの第3回、いよいよ最終回となります。前回は、NABCCのコピーと貼り付けの活用方法についてご紹介しました。今回はUnicodeと墨訳の活用についてご紹介いたします。

Unicodeとは??

Unicode(ユニコード)とは聞きなれない言葉かもしれませんが、コンピュータで利用する国際規格で統一された新しい文字コードです。Unicodeでは、点字も一般の文字と同じように扱えるようになっています。たとえばメモ帳で「アイウエオ」と表示されるのと同じように「アイウエオ」に対応した「墨点字」で表示することができます。

Unicodeをどう活用するの??

早速ですが、以下の手順をちょっと試してみましょう。

1.メニューの「編集」=>「拡張クリップボード」=>「形式」=>「Unicode」を選択

2.点字編集システムの編集画面で点字の「アイウエオ」を入力(6点入力でも、かな入力でも、どちらでも構いません)。

3.いま入力した点字の「アイウエオ」を選択状態にする

4.メニューの中の「編集」=>「コピー」を選択してクリップボードにコピーする

図:コピーまでの画面の様子
図:コピーまでの画面の様子

ここまでは、NABCCのときと変わらない作業ですね。つぎに、

5.「メモ帳」を起動

6.メニューの中の「編集」=>「貼り付け」を選択してクリップボードから貼り付ける

7.メモ帳の画面にUnicodeの墨点字が貼り付けられる

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メモ帳で貼り付けた画面の様子

上の画像のように点字の形がそのまま表示されるので、点字の表記を簡単にそして正確に伝えることができます。点字の校正の資料に利用したり、点字表記に関する墨字の資料や教材などを作成するときに便利です。

ちなみにUnicodeは新しい文字コードなので、古いパソコンやユニコードに対応していないパソコンでは利用できません(主にWindows7よりも古いパソコン)。また、電子メール等で送信する場合も、電子メールのソフトや、相手先のパソコンがUnicodeに対応していない場合は正しく表示されませんので注意が必要です。

※メモ帳等からUnicodeの点字をコピーしても、点字編集システムへの貼り付けはできません。

墨訳とは??

最後に「墨訳」です。「墨訳」を選択すると、いままで画面や音声読み上げでしか確認することができなかった墨訳を、テキストとしてコピーし貼り付けることができます。点字の校正の資料に利用したり、点字表記に関する墨字の資料や教材をつくるとき等に便利です。たとえばある点字の表記の資料を作成する場合、拡張クリップボードの機能を使うとNABCC、Unicodeでの墨点字、墨訳を併記して資料をつくることができます。

※メモ帳等から墨訳のカナをコピーしても、点字編集システムへの貼り付けはできません。

点訳をもっと効率的に

いかがでしたでしょうか?

3回に分けて「拡張クリップボード」の機能を紹介してまいりました。皆さまの点訳作業がより効率よく進むよう、活用していただけると嬉しいです。

それではまた~。

【点字編集システムの使いかた 他の記事はこちら】

拡張クリップボードってなんだ?|点字編集システムの使いかた

NABCCデータ 3つの活用事例|点字編集システムの使いかた

③Unicodeと墨訳の活用事例|点字編集システムの使いかた

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NABCCデータ 3つの活用事例|点字編集システムの使いかた

こんにちは。

前回は「拡張クリップボード」のNABCCのコピーと貼り付け方法を紹介しました。その後Facebookにユーザーさんからコメントをいただきましたが、この機能をどう活用するの??というところを今回は書きたいと思います。

1.NABCC対応の点訳ソフトなどへ貼り付ける

まずはこちら。点字編集システムからコピーして取り出したNABCCを、NABCCの貼り付けに対応している点訳ソフト等へ貼り付けることができます。

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この機能を利用して、点字データの入ったマルチメディアの図書を作成する活動もあります。たとえば筑波技術大学では、NABCCのコピー機能を使ってEPUB(電子書籍のファイル)にNABCCの点字データを入れ、視覚障害者向けの教材の作成に取り組んでいます。

興味のある方はぜひ以下の論文をご一読ください。(論文作成者の許可を得て紹介しています)

「視覚障害者用EPUBブラウザⅡ」の開発と試用 ─ EPUBファイル内の点字データをピンディスプレイに出力する機能の実装 ─

 

2.点字編集システムへ貼り付ける

もちろん点字編集システムもNABCCの貼り付けに対応しています。他のソフトで作成したNABCCデータを、点字編集システムに貼り付けて活用することができます。NABCCは欧米でも共通で利用されていますので、欧米の点字データも簡単に扱えます

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3.メールのやり取りで利用する

どのように点字を表記するかを伝えるときに、これまでは「1234の点」、「136の点」…という方法しかなく、とても手間がかかっていたと思います。NABCCのコピーと貼り付けを利用すれば、例えば電子メールで、点字の表記を簡単にそして正確に伝えることができます。

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補足:行末改行について

「拡張クリップボード」のメニューの中に「行末改行」という項目があります。これは、コピーするときに、各行の行末に強制的に改行を挿入するかしないかという選択になります。編集画面と同じレイアウトになるようにコピーしたいときに便利です。

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行末改行

いかがでしたでしょうか?皆さまの点訳作業で、NABCCのコピーと貼り付けを活用していただけると嬉しいです。

次回は、墨訳、Unicodeについてご紹介していきます。

それではまた~。

【点字編集システムの使いかた 他の記事はこちら】

拡張クリップボードってなんだ?|点字編集システムの使いかた

②NABCCデータ 3つの活用事例|点字編集システムの使いかた

Unicodeと墨訳の活用事例|点字編集システムの使いかた

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拡張クリップボードってなんだ?|点字編集システムの使いかた

こんにちは。

2回連続で続いていた「アクセシビリティのキホン」シリーズは今回はお休みです。その代わりに、というわけではありませんが、点字編集システム7に新たに追加された機能、「拡張クリップボード」を紹介するシリーズの1回目をお届けします。

そもそも点字編集システムとは?

その名のとおり点字の文書を作成するソフトです。新聞や雑誌、書籍など世の中に数多ある文字情報を点字化する時に使われるソフトで、多くの点訳者の方々に使っていただいています。

そのシリーズ最新版である点字編集システム7(Windows 10対応)から追加されたのが、

墨字拡張クリップボード

です。これは点字編集システムで作成した点字データを、他のソフトへコピーできるという機能です。コピーの方法は3種類あって、目的に応じて使い分けることができます。

点字データは墨字(英字、かな、漢字などの一般の文字)データとは違った、独自の取り扱いが必要になります。その点を踏まえながら、数回のシリーズで紹介していきたいと思います。

設定方法

「拡張クリップボード」を利用するときは、メニューの中から利用したいコピー方法を選びます。まず、「メニュー」→「編集」→「拡張クリップボード」と選択していきます。

「拡張クリップボード」には「形式」と「行末改行」の2つのサブメニューがあります。「形式」の中には、さらにサブメニューがあり、つぎの4つの項目を選択できます。

  • なし → 拡張クリップボードを無効にする
  • NABCC → 選択部分した点字をNABCC(ファイル形式のこと)でメモ帳などへコピーできる
  • 墨訳 → 選択部分した点字の墨訳をメモ帳等へコピーできる
  • Unicode → 選択部分した点字をUnicodeの墨点字をメモ帳等へコピーできます。
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図:メニューの部分の画面キャプチャ

このシリーズでは、それぞれのコピー方法を順番に紹介していきます。まずは「NABCC」から。

NABCC

「NABCC」とは「North American Braille Computer Code」の略で、日本語では「北米点字コード」などと言われています。 外国製の点字プリンターを利用する方は、耳にしたことがあるかもしれません。

これは、6点の点字を機械的に英文字(アルファベットや記号)に割り当てて、コンピュータで処理しやすいようにしたものです。点字を扱うソフトがNABCCに対応していれば、共通で利用することができます。ただしコンピュータで処理するために作られているので、私たちがNABCCを見ても、そのままでは理解することは難しいです。

NABCCのコピー、貼り付けができることで、たとえばメールのやりとりなどでファイルを直接送信しなくても、簡単かつ正確に点字のやりとりをすることができます。「1の点」、「13の点」…といったような伝え方をしなくてよくなります。

では、早速ですが、ちょっと試してみましょう。

手順

1.メニューの中の「編集」=>「拡張クリップボード」=>「形式」=>「NABCC」を選択

2.点字編集システムの編集画面で点字の「アイウエオ」を入力(6点入力でも、かな入力でも、どちらでも構いません)

3.いま入力した点字の「アイウエオ」を選択状態にする

4.メニューの中の「編集」=>「コピー」を選択してクリップボードにコピー

図:コピーまでの画面の様子
図:コピーまでの画面の様子

 

ここまでは、今までの点字編集システムの利用とあまり変わらない作業ですね。

つぎに、

5.「メモ帳」を起動

6.メニューの中の「編集」=>「貼り付け」を選択し、クリップボードから貼り付ける

7.メモ帳の画面に「ABCFI」という英文字が貼り付けられる

図:メモ帳で貼り付けた画面の様子
図:メモ帳で貼り付けた画面の様子

どうでしょう?「アイウエオ」をコピーしたのに「ABCFI」と貼り付けられたので、「あれ?」と感じた方もいると思います。でも、これが「NABCC」なのです。

NABCCは、下記のように、64個ある点字のパターンと英文字(アルファベットと記号)とが対になって定義されています。そのため「アイウエオ」が「ABCFI」になったというわけです。

A:1の点(ア)

B:12の点(イ)

C:14の点(ウ)

F:124の点(エ)

I:24の点(オ)

*:16の点(カ)

<:126の点(キ)

%:146の点(ク)

$:1246の点(ケ)

[:246の点(コ)

なんとなくわかっていただけたでしょうか?
次回は、このNABCCのコピーと貼り付けの活用方法について、ご紹介します。

それではまた~。

※NABCCのコピー機能は、筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者支援研究部 (視覚障害部門)とテクノツール(株)によって共同開発されました。

【点字編集システムの使いかた 他の記事はこちら】

①拡張クリップボードってなんだ?|点字編集システムの使いかた

NABCCデータ 3つの活用事例|点字編集システムの使いかた

Unicodeと墨訳の活用事例|点字編集システムの使いかた

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